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せでぃのブログ

ブログ初心者おいどんのどうでもいい愚痴やどうでもいい愚痴やどうでもいいマメ知識などを披露するチラシの裏です。

HONEY_MAKER(養蜂者)

寝かしておいた夢日記をば。

    
美味しい蜂蜜自作セット このセットを水場の近くに置いておくだけで、30分後には美味しい蜂蜜が出来上がります。 ※一度作成を始めた場合、途中で中断することはできません、あらかじめご了承ください。
スーパーのレジ付近で見かけて、蜂蜜自作セットというものを衝動買いしてしまった。 本でも音楽CDでも、家まで待てずに開封してしまう性分なので、交差点待ちの間に買い物袋からズシリと重たい立方体の箱に入った自作セットを取り出して開けてしまった。 「30:00:00」 ジャムのような寸胴の瓶にはデジタル時計が付いており、蓋の部分には何やら無数の蜂の巣形の通気孔が空いている。ふむふむ、水場の近くに居ろというからにはここから水分を取るんだろうな。 一人ごちていると、突然、そのデジタル時計がミリ秒刻みで目まぐるしく動き始めた。 「29:59:47」 ここで作らなければならないのか。 交差点の横断帯の向こう側にある豪華な建物が目に入る。あそこのトイレを借りようか。慌ててどうしようか迷っていると、 「ムーブ!ムーブ!ムーブ!」 交差点待ちをしていた雑踏の中から小銃を抱えた迷彩服の黒人が走り出てきた。そちらを振り返ると、それ以外にも体格のいい外国人が同様にライフガードのような辛子色ベースの軍服に身を包んで黒光りする小銃を持って集まりつつあった。 「パスッパスッ、パタタタ」 どこからか乾いた銃声も聞こえて来た。 「あの建物まで走れ! 頭は低く!」 早口の英語でよく聞き取れないものの、そう言ったようだ。突然、その黒人に腕を掴まれて、訳も分からず、先ほど目に入った建物まで中腰で走らされた。 入り口の自動ドアはガラスが割れ、無残に大きな穴が開いていた。その穴をくぐると広い吹き抜けのホールがあった。 ホールの真ん中は緩やかな傾斜の幅広い階段が上へと続いており、時折、上階から銃撃が起こっている。見晴らしのいいホールや入り口付近が危険なのは誰の目にも明らかだ。周りを見渡すヒマも無く、手近にあった1階のトイレの入り口通路へと避難する。 「いいか、ここでじっとしていろ! オレは2階を制圧してくる。なぁに、政府の犬なんか5分で片してやる。」 映画のようなウィンクをこちらへ送ると、その黒人は息を整えて銃撃の合間を縫って建物中心のホールの方へと走り去ってしまった。 「27:36:78」 あちこちから聞こえる英語の怒声とガラスの割れる音と銃声は、段々減っているようだ。 まだ手に持っていた蜂蜜の瓶を見ると時計は動いており、せわしなくカウントダウンしていた。 丁度いいからここで作るか。何事も無かったかのようにペタリと座り込む。急かされない時間が心地良い。 と、突然、トイレの中からガラスが割れる音と小さい金属の物体が床を転がる音がした。 反射的にホールの方へ、フライングレシーブの要領で飛びずさっていた。間髪入れずに「ズン」という短い地響きと共に煙が上がる。 「おい。この建物を制圧したぞ。」 場違いな程、陽気な声がしてホールを振り返ると、さっきの黒人が2階から悠々と階段の真ん中を降りて来ているところだった。 言葉も出ず、必死に指でトイレの方を指差す僕を見て怪訝な顔をする。 「突入する。」 トイレの方からくぐもった低い声が聞こえて来た。複数のブーツの足音も。 「随分と早いな、畜生! おい、お客さんがまたおいでなすったぞ! 気を抜くな!」 黒人が誰にともなく叫んでこちらに駆け寄ろうとしたとき、正面入り口から飛び出た複数の射線が階段をほぼ下り切っていた大きい人影を貫いた。転がり滑って、小銃だけが僕の手の届くところに落ちる。後ろめたいかのように小銃と周囲を交互に見る。 僕を助けてくれそうな人は周囲10mには誰も見当たらない。時折、トイレと正面入り口からの十字砲火が虚しく床のタイルを剥がすだけだ。 攻守が入れ代わったらしい。投げ出された小銃にかぶりつくと、代わりに壁際に蜂蜜の瓶を置く。 「25:05:17」 あの交差点での出来事から5分と経っていない。攻め安く守り辛い場所らしい。 背水の陣とはこのことだ。引くに引けない狭い空間だけを味方に、ささやかな抵抗を試みることを誓った。 小銃は思ったより大きく、腰貯めで撃つことをバカのように、頭で何度も言い聞かせる。腹をくくろうとしたせでぃの正義を冷たい銃が肯定した。 〜〜〜〜〜〜 「00:00:00」 時間が動かないことを何度も確かめ、恐る恐る瓶の蓋に手をかける。 さっきまで撃っていた銃の振動と硝煙と血の匂いとで、感覚が麻痺している。自分の身体じゃないみたいだ。時間の感覚もそうだ。本当に長かった。何度攻守交代したか数えきれない。 キュッキュッとガラスが擦れる音と共に、甘い蜂蜜の匂いが溢れ出した。 スプーンの先にほんの少し黄金色の硬い流動物を乗せて、口に運ぶ。 「……甘い。」 疲労困憊した身体が甘い喜びに打ち震えた。これなら1分と掛からず1瓶空けられそうだ。甘美という単語が意味するところは、これだ、この感動なんだ。感無量だ。 倒れた兵士が起き上がり、ノソノソと後片付けを始めた。 「おめでとう、ハニーメーカー。」 敵味方問わず、近くを通りかかる兵士にそう祝福された。

Not to be continued....単なる僕の夢だからねw

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