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せでぃのブログ

ブログ初心者おいどんのどうでもいい愚痴やどうでもいい愚痴やどうでもいいマメ知識などを披露するチラシの裏です。

ラリイ・ニーヴンのリングワールドふたたびとその中のダイソン球

読書感想文

 ダイソン球が気になっていたので読んでみたが、予想外なことに物語にのめり込んでしまった。SFもファンタジーも未知の世界を探検するというのは、ワクワクするねぇ。突然2作目から入ってみたものの面白かった。連作は、リングワールド、リングワールドふたたび、リングワールドの玉座、リングワールドの子供たちの順。

 あらすじ。リングワールドを見つけて生還した人間のベテラン探検家のルイス・ウーとネコ型人種クジン人の外交官ハミイー、パペッティア人のハインドモーストの3人が、回転軸のずれたリングワールドを危機から救うための旅。
 パペッティア人というのは超文明を持ち、頭が2つ足が3つある商業帝国の知的生物。絶対に壊れない船殻を持つゼネラル・プロダクツ製の船や自動翻訳機等を販売し、自惑星を移動させる技術を持ち、地球人やクジン人とは隔絶した技術と文明を持った危険厨の人種。クジン人と人間は何度も戦争をしている。

ダイソン球

 まずは、自分のダイソン球のイメージが間違っていたことに気付いた。少なくともラリイ・ニーヴンの作品においては、このような構造物だ。ダイソンリングって奴。
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 太陽から半径1AU、地球の公転軌道をスッポリ包み込むパイプである*1。パイプは回転する遠心力でパイプの内側から外側の方向に1Gを作りそのパイプの内壁には陸や海があるガンダムのコロニーを長ーくしたようなものでした。また、昼夜の作成のため、0.4AU水星の公転位置に影を作るためのパネルがあるらしい。カホナ*2デカいねぇ、予想以上だった。



「恒星を覆える程度の宇宙人は銀河系内の近くにはいなさそう」は言えるんじゃ?
 そこでこの記事だ。おいどんには、ダイソン球が理想の居住空間にも発電施設にも思えないんだよね。維持費も建造費も手間も、半端じゃない。

リングワールドにおけるダイソン球

 リングワールドにおいては、ダイソンリングを建造した人種は既に不在。1AUのパイプを建造するために、同恒星系の惑星は全て資材として使われてなくなっている。不安定さも指摘され、続編であるこのリングワールドふたたびでその問題を取り上げている。位置修正のために多数の軌道修正エンジンが必要であり、時々飛来する隕石を自動で迎撃する装置も必要になる。ダイソンリングの外殻を構成しているのはスクライスという未知の物質。そのほかにもテラフォーミングしたり寿命を克服してたり生物の進化をある程度コントロールしてたり、いろいろと超越した存在がダイソンリングを作っている。

 居住空間にした場合、日本人にとっては残念なことに、四季というものがなくなる。赤道や北極、潮汐、火山、地震、台風*3などもない。安定しているが、それで生命は育まれるのか? という疑問が残る。コロニーや宇宙移民船も条件は同じだけど。

構造材へかかる応力が恒星系で2番目に大きい

 惑星は太陽からの重力を公転の遠心力で相殺しているが、ダイソン球は恒星の重力すべてを構造材で受け止める必要がある。そのほかにもゆがみ、きしみ、ねじれ等々についても、構造物が大きければ大きいほど大きくなる。
 どれくらい急加速急減速をする船になるかは知らんが。超光速、光速、亜光速の船の船殻の次くらいに大変ですよ、これ。軌道エレベーターやコロニーなんか目じゃないくらい謎の材質が必要。

メンテナンス性最悪

 恒星に依存しているので、メンテナンス性最悪なんじゃないかなーとも思った。
 電力需要がない時間の蓄電をどうするか。伝送路はどうするか。単一障害点になるので事故ったらどうするか。核融合を止めてメンテナンスということができない。赤色巨星になる段階で使えなくなる。
 そもそも何でそんなにエネルギー使うんだよとは思う。少なくとも母星でやろうとは思わんから、恒星間を移動できない知的生命体の方を期待した方が確率的にいいんじゃないですかね。

規模デカ過ぎ

 リングワールドの半径1AUは大きすぎなので、最小限の太陽半径程度としても、大き過ぎるのだ。
 リンク1本で、2x3.14x695,800kmである。惑星を複数個潰して、輸送して、加工するという作業が想定される。少なくとも惑星を潰して輸送するという時点で重力を完全にコントロールする技術が必要な訳で、リングワールドでも恒星間を旅行する主人公たちが感動してるし、アレステア・レナルズの量子真空でもまたインヒビター/ウルフという存在が惑星の解体をしており、宇宙開闢からいるような神がかった存在のオートマトンとして描かれている。


 それだけ大変な作業を経て得られるのが、ただの核融合エネルギーですよ。
 増田はダイソン球を簡単にできる通過点のようなことを言っているが、おいどんには技術的な課題がたくさんたくさんあるように思う。核融合すら過去の遺物にするくらいの隔絶した技術力が必要な割に、得られるエネルギーの程度が知れているので、ダイソン球を作るような物好きな文明はいないと思う。費用対効果、エネルギー効率、労働生産性なんでもいいけど効率悪そう。

*1:ただし、太陽系ではなくもっと遠くにある別な恒星にある。

*2:リングワールドの登場人物、ルイス・ウーの口癖。神も仏もいないのかの頭文字を取った間投詞。原文ではTANJIーThere Ain't No Justice.と記載されているっぽい。

*3:コリオリの力は主に自転の力