ダヴーｖｓウェリントン

歴史にifはつきものですが、おいどんはこの2人ダヴーとウェリントンが戦う物語が見てみたいなーと、突然思いました。

ｖｓ

ついでに

ダヴーはナポレオン配下のフランス最強の元帥です。若禿、もとい、不敗のダヴーという異名を貰ってます。ワーテルローの戦いに負けたナポレオン不在のパリを守り抜きました。一方、ウェリントンはワーテルローの戦いでナポレオンの百日天下を終わらせたイギリスの元帥です。勝ちすぎて英国首相にまで上り詰めてしまいました。どちらも元は貴族ですが、ヨーロッパ各地を転戦して経験を積んだ叩き上げの軍人です。ウェリントンが１つ年上です。

・誰が一番用兵がうまいかと考えると、単純に考えれば最後にナポレオンに勝ったウェリントンじゃね？

となるんですが、状況を考慮するとそうでもないんですよね。

ワーテルローでプロイセン・イギリス連合軍が勝ったのは、辛勝に近い感じなんですわ。結構危うい勝ち方なんです。ナポレオンがウェリントンの虚をつく場面も何度かあったようですし、ネイがもう少し冷静だったらナポレオンがもう少し健康だったらわからなかったと思います。ウェリントンはワーテルローでナポレオンとの戦いに疲れて、追撃戦をプロイセンにまかせたりしてます。

この戦いの後、パリの防衛を仰せつかっていたダヴーは援軍を出してプロイセン軍を叩きのめし、ナポレオンなき後も協定成立までパリの防衛に成功してるんです。ダヴーの場合、ナポレオン不在時の作戦や戦略が功を奏しているシーンが多いんですよ。名将ですわ。

・もし、アウステルリッツの戦いと同じ将軍がこのワーテルローの戦いでナポレオン麾下に居たら？

ダヴーを始め、ミュラ、ベルナドット、ランヌ、ベルティエと錚々たるメンツですよ。おいどんの想像では、アウステルリッツみたいにフランス軍の圧勝だったと思うんですよ。加えてナポレオンがもう少し健康だったらってとこでしょうか。戦力は拮抗してましたから。

・じゃーKOEIのゲームではどうなの？

ランペルールというゲームがあります。写真の通り、どちらもオールマイティな能力値ながらウェリントンがダヴーの上位互換といった設定ですね。歴史的な勝敗から、高い能力値が設定されたんだと思います。というか、……ナポレオンの上位互換です、はい。

ゲーム内ではウェリントン＞ナポレオン＞ダヴーなんですよね。

・お前ん中ではどうなのよ？

ダヴー＞ナポレオン＞ウェリントンかなぁ。

甲乙点け難いのは確かなんですが、ウェリントンは連合軍で橋頭堡の防御戦という場面が多く、調整役として人当たりがいいというか立ち回りがうまい感じですね。ただ、それだけではなく、まぁとにかく転戦してるんですわ。インド、スペイン、ポルトガル。取りあえず、負けて本国送還というのが見当たらないんすよｗ　必ず勝って昇進して帰国、勝って昇進して帰国、勝って昇進して帰国、んで最後は英国首相ですからｗ　何より最終的にナポレオンの野望を軍事的に粉砕したのは間違いなくこの人とネルソン提督ですから。イギリスにはハイランダーズとか一応精鋭っぽいのは居ますけど、所詮島国のイギリスからよくこんな才能が出てくるなぁ…

一方ダヴーは、苛烈。いや性格はもちろん相当悪いんですが、そうではなくて、こちらも経験値が半端ねぇんすよ。対仏同盟、何回潰したと思ってるんですか。イタリアからエジプト、オーストリア、ロシアまで転戦につぐ転戦すよ。あの弱小フランス軍でですよ。ウェリントンが防御戦ましましだとすれば、ダヴーは篭城戦ましましって感じですね。歴史に残る大戦争を沢山経験してます。あまりの切れ切れっぷりに、ナポレオンに嫉妬されて煙たがられてます。

ナポレオンが奇抜な天才扇動屋だとすると、ウェリントンは保守的で防衛戦のうまい限りなく天才に近い秀才、ダヴーは野心のない不屈の精神を持った戦争の鬼才といった印象。

・じゃーダヴーの勝ちなんじゃね？

いやいやいや。もし、ワーテルローの戦いでフランス軍の指揮を取るのがナポレオンではなくダヴーだったら？　追撃戦をプロイセンにまかせず、イギリス軍が行ってたら？　これが全く想像がつかない！　ダヴーとウェリントンって、直接戦ったことないんですよね。どちらもそこらにいる司令官風情ではフルボッコにされてフライにされてパンで挟まれるくらい、超絶用兵も政治もうまいんすよ。ナポレオンの周囲で大局観を持って戦争できてるのはこの二人くらいのもんす。フランスの司令官や元帥はかなりウェリントンにやられてます。

想像しただけで熱い戦いですよ、これ。

ダヴーが勝つ絵も想像できますし、ウェリントンが勝つ絵も想像できるんです。ダヴー程の戦争巧者もいませんし、ウェリントン程フランス軍の戦い方に精通してた人もいませんから。んー、甲乙点け難い。