王国の鍵、死の影の谷間
- 作者: ガースニクス,原田勝
- 出版社/メーカー: 主婦の友社
- 発売日: 2009/07/25
- メディア: 単行本
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月曜日の鍵の後継者になったアーサー・ペンハリガンが帰宅するとすぐに、アーサーの家令に任命されていたマダム・プライマスから緊急用にと渡された電話が鳴ります。
火曜日の管財人チューズデーが月曜日の鍵を取り返しに来るとのことで、現実世界でも家族の元へ思いがけない借金取立てが来て驚かされます。そうして、ハウスの遺書と管財人の争いにまた巻き込まれていきます。
ハウスは時間の流れが遅いらしく、返済日の延長のためにアーサーはまたハウスへ戻ります。そこで借金返済の策を探るため、地底界の無の採掘場へ向かい、途中でアーサーを迎えに来たスージーと再会し、ピラミッド型のチューズデーの宝物庫へ忍び込み、宝物庫の番人としてそこに居たトム船長(創造主の次男)に太陽船ヘリオス号で連れられて、2つ目の遺書が囚われている太陽へ向かうことになります。
いつも通り良かったです。
2つ目の遺書、クマーをイメージしてました。かわいい。あとは、トム船長の放つ銛の威力の描写が凄い。投擲の際に近くにいるだけで神経痛で歯が痛むという。これは確かに笑えない痛みです。銛の名前が気になったので探してたけど見つけられなかった。
次の水曜日が楽しみだけど、アーサーはこの怪我でどうやって戦うのかすごく心配です。
- 作者: ロバート・C.オブライエン,Robert C. O’Brien,越智道雄
- 出版社/メーカー: 評論社
- 発売日: 2010/02
- メディア: 単行本
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核戦争後に唯一生き残った少女アンは細々と自活していた。そこへ見ず知らずの男ルーミスがやって来るというミステリー。
ミステリーとは言っているけど、男があれほど銃に頼って何かに怯えていなければ二人はいい関係になっていたのではないかと思う。アンの日記として語られる形式で、アンの方では途中までいい感情を持っていたのがわかります。ルーミスがかたくなに放射線耐性のあるプラスチックスーツと銃を独り占めして、アンを小ばかにしたような態度を取るところから徐々に心変わりしてしまって…。
女性には寛容であるべきだね。自分もこういう嫌なところは大いにあるから同じ道を辿っちゃいそうだ。でも人に向けて銃撃ったらそりゃ嫌われるってもんだと思う。さすがにあれはないな。銃を撃たれてからアンの中にどす黒い憎悪の感情が湧き上がり、自己嫌悪する描写がうまかった。
原題:Z for Zachariah
この原題は、文中の説明によると、「聖書の文字の本」という絵本の中にあるアルファベットの覚え方で、ザカリヤというのは洗礼者でヨハネの父だそうです。
後書きが必読です。