カラスの親指
カラスの親指 by rule of CROW’s thumb
- 作者: 道尾秀介
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/07/23
- メディア: 単行本
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石田衣良っぽい文を書き、石田衣良みたいに王道とも言えるわかりやすい展開をする人だなぁと思って最後まで読むと、みごとに石田衣良のように読者が求める答えを出してくる。
全く褒めてないように思えるけど、そうではない。読みやすくて卒がないんだ。話のテンポ、伏線、読みやすさ、オチの付け方、どこを取ってもバランスがいい。ただ、少々アクが弱くて、早々に展開が読めてしまった。SFとかファンタジーが好きなおいどんには、もうひとつ、突き抜けた世界観と予想を裏切る展開が欲しかった。求めるところが違うっつー話ではある。
脚本としてドラマとかにしやすい小説だよなと思ったら、既に映画化済みでした。
最近、どっかでこれに近い詐欺師か何かの話を見たんだけどなぁと引っかかりながら読み切って、ブログを書き始めてようやく出てきた。
映画「鍵泥棒のメソッド」。そうそう、これ。地上波でやってたの見たんだわ。詐欺ってのは臨機応変さが求められてて大変そうね。失敗や他人を疑いだしたらキリがないし。小説家も知らない職業の話を作るんだから大変だぁね。
『鍵泥棒のメソッド』予告編 - YouTube
えーと、ちょっといい話的なドラマとかが好きな人にはいいんじゃないかと。期待を裏切られたい人、展開にドキドキしたい人には向いてないかもしれない。
ずっと貸出中で、本を手に取るまでが一苦労でした。前半のテツさんのダサさがいい味出してる。