せでぃのブログ

ブログ初心者おいどんのどうでもいい愚痴やどうでもいい愚痴やどうでもいいマメ知識などを披露するチラシの裏です。

湊かなえの告白とライアカットアハメドの世界恐慌

告白

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

 娘を殺された中学校の教員が私的制裁をし、関係者に視点を変えて、その後の学校関係者の凄惨ないじめや復讐劇を見ていく。


 まぁ、全く受け付けなかった。おいどんはダメでした。たぶん、読者の好みによって意見は真っ二つに割れると思う。渡鬼おしん小公女セーラみたいなドロドロの人間ドラマが好きな人は好きなんじゃないかと思う。
 おいどんには、それをわざわざフィクションで見せられる意味がわからないもの。見たくないものは見たくない派ですわ。あとは、独白調で、終始、周囲の描写や状況説明もすべて本人に語らせる書き方になんかイライラした。

 湊かなえを次読むことはないかなって。

世界恐慌(上): 経済を破綻させた4人の中央銀行総裁

世界恐慌(上): 経済を破綻させた4人の中央銀行総裁 (筑摩選書)

世界恐慌(上): 経済を破綻させた4人の中央銀行総裁 (筑摩選書)

 「世界でもっとも排他的なクラブ」を形成し、世界恐慌の際に中央銀行総裁の地位に居た4人のお話。英米独仏の総裁は、モンタギュー・ノーマン、ベンジャミン・ストロング、ヒャルマール・シャハト、エミール・モロー。所謂、戦犯って奴ですか?
 1914年あたりからなので、4人の出世と中央銀行の歴史を追っていくような感じ。時期が時期だけに、2つの大戦と数回の恐慌という人類未曾有の人災をも眺めることにもなります。また、恐慌からの脱出に欠かせない人物。ジョン・メイナード・ケインズも時々舞台の袖から野次を投げるような形で登場します。


 下巻はまだ手元にありません。上巻は、ノーマンとストロングが当座の主役。時々シャハト。あのケインズが皮肉屋すぎて小物臭が凄いww

 第一次世界大戦の戦後賠償に固執するフランスが悪役に見えて仕方ないけど、結果的には第一次大戦後の金本位制復帰も対ドイツの宥和政策も間違いなんですよね。
 今なら金本位制復帰は間違いだったと言えるけど、その当時、管理通貨制度を採用するとすれば、実績がない壮大な社会実験をぶっつけ本番でやるのと同じことなんだよね。というかケインズの方でも、青写真すらない状態だった。責任ある一国の銀行総裁がすんなり採用できるだろうか? いやムリだね。もう一度、社会全体が痛い目を見ないと、第一次大戦後すぐにはまだ採用できなかったよ。イギリス蔵相(当時)ウィンストン・チャーチルは、ギリギリまで金本位制を採用するかどうかでケインズ派ノーマン派の議論を見ながら迷っていたみたいだけどね。

 ノーマン、ストロング、シャハトといった叩き上げの優秀なベテラン銀行家が知恵を絞って会議して交渉してすごくがんばっている。戦争の際にも、首相や政府筋、外交等で無茶な突き上げに悩まされた。家庭が崩壊し、身体を壊しながらがんばっているのに。そして、「世界でもっとも排他的なクラブ」という画期的な中央銀行総裁同士の横のつながりができても、戦争も恐慌も回避できなかった。空しいなー、なるべくしてなったんだなーという感想です。


 こと経済政策について、進歩的な政策を取るのは難しいやね。今だって嫌われるし。