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【ネタバレ】ラヴクラフト全集1

ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))

ラヴクラフト全集 (1) (創元推理文庫 (523‐1))

 テーブルゲームクトゥルフの呼び声の元ネタとなったラヴクラフトの短編集。収録はインスマウスの影、壁のなかの鼠、死体安置所にて、闇に蠢くもの。
 あとがきによると、ラヴクラフトは病気がちで人生全般、世捨て人のような生涯だったそうで、雑誌に投稿作品が掲載されたりはしていたらしいが、生前に出版された本はインスマウスの影、ただ1冊だけ。ほかの作品は友人のオーガスト・ダーレスが編纂してラヴクラフトの死後に出版された。現代のCoCブームを見せてあげたいと思ってしまうよ。落胆するかもしれんがw
 この翻訳全集が1974年12月初版ということからわかる通り、相当古い。文芸誌デビューが1914年。闇に蠢くもので、ん? となった記載が。海王星の外側にミ=ゴの前線基地となる惑星が発見されたといった描写があった。あーーーーーーーー、冥王星ギリギリまだ発見されてねぇわw

インスマウスの影

 1927年暮れから1928年初頭の連邦警察の大捕物によって事件は誰にも知られずに収拾された。インスマウスマサチューセッツ州のアーカムニューベリーポートの間にある寂れた漁村。ダゴン秘密教団というのが出てくるので神話生物はたぶんダゴン。

 最初に出てくる呪文はこんな感じ。
「イア!イア!クトゥルフ・フタグン!フングルイ・ムグルウナフー・クトゥルフ・ル・リエー・ウガ=ナグル、フタグン」
 知る人ぞ知る、インスマウス面(づら)という用語も出てくる。頭が狭く、鼻が平べったく、目は膨らんで開きっぱなし、鮫肌で吹き出物だらけ、首の両側はしわだらけ、若禿という描写がされている。


 クトゥラー要チェックの作品かもしれない。

壁のなかの鼠

 ウェールズのアンチェスター村にあるストーンヘンジより古いイグザム修道院地下の遺跡を探索する話。

 初ニャルラトホテプ様。ネズミだらけなのはニャル様関係ないよな?

死体安置所にて

 葬儀屋のジョージ・バーチが怖い思いをした話。

闇に蠢くもの

 1927年11月にヴァーモント州で起こった洪水の報道でミ=ゴの痕跡が見つかり、エイクリーとウィルマートが文通をしている内にミ=ゴが凋落した人間のスパイに邪魔をされるようになっていく。

 ヨグ・ソトホートやクトゥルフに関する伝説、死霊秘法(ネクロノミコン)などが民俗学の常識みたいな感じで出てくる。うむ、手前味噌。インディアンの神話によれば大熊星座のユッグゴトフ惑星がミ=ゴの前哨とか。
 蛇足だが、ファンとしてのひいき目を取り去ると、ありふれた奇譚だ。むしろ、これをテーブルトークのゲームにしようと思った人間の方が突飛だと思った。この作品群を読むと、SANチェックをしているキャラクターたちが見えてくる。ゲーマーすげぇ。