- 作者: ゴーゴリ,浦雅春
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/11/09
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 24回
- この商品を含むブログ (58件) を見る
外套。九等官アカーキー・アカーキエヴィチが外套を買いかえるお話。
査察官。ペテルブルクの査察官と間違われる若い貧乏役人フレスタコフと腹黒い市長の接待のお話。
全体的にロシア社会の風刺と奇譚が売りの人なのかなぁと。
あとがきに書かれるゴーゴリの人生が面白い。ロシアでの風刺は体制批判として捉えられて保守派からの批判に怯える日々だったようで、ローマへ逃れることが多かった。人生の最後は狂信の神父にすがり、断食してガリガリに痩せ、鼻にヒルを沢山貼り付けた状態だったらしい。
文学でも役者でもデビューできず、下級官吏を務めた後、上司の勧めにより詩作で文学界デビュー。その後、ペテルブルクの歴史学の助教授なども務めたが長続きしなかったそうで、全体的に背伸びした憐れな人生を送ったように見える。プライドと承認欲求の強い悲しい人だなぁと。
文庫改訂版 あの金で何が買えたか―史上最大のむだづかい’91~’01 (角川文庫)
- 作者: 村上龍
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2001/04
- メディア: 文庫
- 購入: 6人 クリック: 148回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
バブル期のとんでもない計画を教えて下さい。 大阪のりんくうタ… - 人力検索はてな
本の内容は、60兆円という公的資金を大量に注入した不良債権や倒産案件に対して、ほぼ同額で何と釣り合うかという絵本でした。パラパラと眺めていると終わります。
絵本の前後では、村上龍自身の話、元経済政策担当大臣 竹中平蔵やエコノミスト 植草一秀との対談が掲載されています。
収入は自分の懐に入れ、負債は誰も責任を取らない、刑事罰を受けない。そして国債発行とは誰の負担かというとただのツケであって、子孫の負担でしかない。また、景気回復を腰折れさせるタイミングの増税も、復興を遅らせていると指摘する。
1件の不良債権に対して、3件足すとほぼ同額のこんな(有意義な)別の使い途があるという作りなんだけど、いやぁ、どっちもどっちだなぁと。ネットスケープ5040億円、風力発電1万基2兆円、南北朝鮮鉄道の北朝鮮部分総工費600億円とかも使い途として微妙だよなぁ……
悪い例で出ていた都庁建設費1569億円が意外と安いとか思ってしまった。
ネットスケープ。懐かしいけど、結果、投資しなくてよかったね。
アップル。あらお買い得。この時期に買っておけば……
バブル時代の最大の負の遺産。住専。いや、語れるほど興味なかったからなぁ。