ヨコハマ買い出し紀行の触りを読んでみた。
- 作者: 芦奈野ひとし
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1995/08
- メディア: コミック
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夜になると浅瀬に沈んだ街灯にはまだ明かりが点されたり、人を乗せたままの巨大な飛行機が永遠に空を飛び続けていたり(着陸できない?)、脳波が測定されるというご神体(子供の形をした石)が居たりと、廃墟マニア魂をくすぐるような切ない不思議も数多い。
主人公は女性型のロボットらしいのだが、オーナー※ 不在のためコーヒー屋を一人で切り盛りしている。そのことについて、自身は何年もオーナーの帰りを待ち続けられることから「私はロボットでよかった」と吐露するところなど、なんつーか、胸がキュンとなるような切なさがある。
※ 結果、1巻で主人公のアルファが不在の折に帰宅して以降、一度も登場しないらしく、絵が無いとのこと。
また、「人の夜※ が安らかな時代でありますように」という最終巻のモノローグ(まだ読んでないけどね)など、想像しただけで泣ける。
※ 夕凪の時代が衰退期だとすると、夜というのはその後であり、人類が滅亡する時代のことなのだろう。
この作品をSFに分類するかファンタジーに分類するかと聞かれるとかなり迷うものはあるが、星雲賞を受賞したらしいので、SFとして秀逸なのだろう。ベルセルクの激しさとは完全に逆のベクトルの漫画だけど、素直にいいと思った。ずっと読もう読もう思ってて読めなかったものの一つ。昨年やっと完結したらしいので、あとで全巻読破しちゃる!