せでぃのブログ

ブログ初心者おいどんのどうでもいい愚痴やどうでもいい愚痴やどうでもいいマメ知識などを披露するチラシの裏です。

ヨコハマ買い出し紀行

ヨコハマ買い出し紀行の触りを読んでみた。


ヨコハマ買い出し紀行 1 (アフタヌーンKC)

ヨコハマ買い出し紀行 1 (アフタヌーンKC)

世界観がいい。人類(日本の横浜)は終焉を迎えるにあたって、騒ぐでもなく慌てるでも無く、静かにその終わりを迎えようとしている。夕凪の時代と呼ばれる時代らしい。人工減少、文明後退、地球温暖化が進行しており、浜の方の大部分は海に沈んでいる。
夜になると浅瀬に沈んだ街灯にはまだ明かりが点されたり、人を乗せたままの巨大な飛行機が永遠に空を飛び続けていたり(着陸できない?)、脳波が測定されるというご神体(子供の形をした石)が居たりと、廃墟マニア魂をくすぐるような切ない不思議も数多い。


主人公は女性型のロボットらしいのだが、オーナー※ 不在のためコーヒー屋を一人で切り盛りしている。そのことについて、自身は何年もオーナーの帰りを待ち続けられることから「私はロボットでよかった」と吐露するところなど、なんつーか、胸がキュンとなるような切なさがある。
※ 結果、1巻で主人公のアルファが不在の折に帰宅して以降、一度も登場しないらしく、絵が無いとのこと。

また、「人の夜※ が安らかな時代でありますように」という最終巻のモノローグ(まだ読んでないけどね)など、想像しただけで泣ける。
※ 夕凪の時代が衰退期だとすると、夜というのはその後であり、人類が滅亡する時代のことなのだろう。


この作品をSFに分類するかファンタジーに分類するかと聞かれるとかなり迷うものはあるが、星雲賞を受賞したらしいので、SFとして秀逸なのだろう。ベルセルクの激しさとは完全に逆のベクトルの漫画だけど、素直にいいと思った。ずっと読もう読もう思ってて読めなかったものの一つ。昨年やっと完結したらしいので、あとで全巻読破しちゃる!