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せでぃのブログ

ブログ初心者おいどんのどうでもいい愚痴やどうでもいい愚痴やどうでもいいマメ知識などを披露するチラシの裏です。

EVAC_NI_REDRUM

古い映画のように、音がない。それもそうだ。この部屋、部屋と呼ぶのかはわからないが、この土壁で囲まれた間(ま)は地下にあるらしく、薄暗く乾いている。その一方、ところどころで窓のある木造の部屋があるため、土で囲まれた部屋もほんのり明るくなる。下手な説明をするよりも、防空壕かカタコンベをイメージしてもらった方が早いかもしれない。その暗いどこかで何かがあったのはすぐに見て取れる。真新しい返り血と悪趣味な骨で造ったインテリアの数々。いくつかのインテリアが無惨に欠けている。


たぶん、そのインテリアを壊したのは自分の仲間だったはずだ。
この暗い洞窟の主こそが、善良な僧侶に化けた殺人鬼だったと思う。
「だったと思う」というのは、自分は少しの間、意識を無くしていたらしく、まだぼんやりとしか考えられないからだ。
近くには木のテーブルと椅子が置いてある。洞窟の中の板の間でうつ伏せになり、僕は荒い呼吸を繰り替えてしている。



そうだ、思い出した。
僕は、いや、僕らはあの殺人鬼と戦っていたのだ。
といっても、僕らは警察官ではない。私闘だ。
あの殺人鬼は狡猾で、用意周到で、すこぶる腕の立つ奴だった。
僕らは一矢も報いることなく、防戦一方に追い込まれた。
蛇腹のような、何かの長い背骨が薄暗い光を受け不気味にヤニに汚れた乳白色に光っているのが横目に見えたと思う。
無骨な壁掛けだが、それだけは立派なインテリアに見えた。
殺人鬼の居間らしきその空間を後にし、散り散りに逃げたのだった。
この迷路の様な地下洞窟を。
仲間のことが心配だが、たぶん、奴の餌食になっているだろう。
最後まで必死に食い下がったのは、僕ではなかったから。


今来られたら、アウトだなぁ。いや、遅かれ早かれ僕は、いや、僕らは殺されるのだ。そして、あの悪趣味なコレクションの1つに成り下がるのだ。ミイラ取りがミイラになったってわけだ。

そんな考えを読んでか読まずか、足音が響いた。


絶体絶命のピンチだ。
そう思って身体を起こそうとするが、身体のあちこちがギシギシと悲鳴を上げる。やはり、ダメなような気がする。いや、そもそも始めからダメだったんだ。


そこへもって、足音が2つ聞こえて来る。


何てこった。共犯がいたのかい。


更に足音が増える。


…。


もの凄い演算速度で沢山の条件分岐を処理する。だが、この状況を理解する選択肢はひとつもなかった。固唾を飲んで、足音のする方を起きあがりもせずに凝視する。


サンタクロースだ。


サンタクロースが、…ひぃふぅみぃよぉいつむぅ。6人。
鮮やかな緋色のお世辞にもタイトとは言えない服装の6人が、
歩いてくる。いや、飛んでくる? いや、飛んではいない。
狭い洞窟を天井も壁もお構いなしに綺麗な隊形で駆けてくる。
キアヌ・リーブスジャッキー・チェンか。
そんな身のこなしで近づいてくる。だぶだぶの袖や裾がジャッキー・チェンの映画のように、独特の風切り音を響かせている。
ただ者でないのは見て取れる。問題なのは誰の味方かということだ。
結論が出ない内に囲まれ、その内の一人が更に僕に迫り、顔を近づけてくる。


「だぶん、君の味方だよ。」


Not to be continued....単なる僕の夢だからねw

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